2012年4月16日月曜日

超える〜beyond yourself〜

大学が始まってもう2週間が経った。前年度と違って真面目に学校に通うようになった。なんだろう、学校が楽しくなった。学校なんて意味がない、そう世間では言われているみたいだけど、実はそんなこともなくて、一歩一歩遅いかもしれないけど、物事の深いところを理解しているような気がする。掘るためには時間がかかる。


僕は今、数学を勉強している。あと、統計学とか、アルゴリズムとか。全部言ってしまえば”数学”をベースに展開される話ばっかりだ。統計学という学問で多くの人が思い浮かべるのは「グラフ」かもしれないが、統計学では「何をどう解析すれば、求める結果を得られるか」ということを学ぶ。多くのグラフは間違った解析の賜物だということがよくわかる。Rを使った解析から始まり、latexも扱うし、C言語もやる。と言ってもほとんどが今注目を受けるwebやサービスとはほど遠いと言ってもいいかもしれない。

数学では、関数論、確率論、線形、非線形解析など、多岐に渡る分野を学ぶ。といっても、ほとんどが証明で、専ら数式と文字を書き続ける。計算なんて存在しない。それは数学ではなく計算機がやってくれればいいことだ。僕らより、計算機の方が優れている。僕らは、何を解くべきかを学ぶ、そして解いたときの正当性を検証する。それが数学だという。高校のときとは全く比べ物にならない世界。1/nのlimが収束するのさえ、いちいち証明する。こんな我慢強いことを自分にもできるのだと案外自分自身に感心するぐらいだ。

さて、こんなことを書こうと思ったのは学生団体を引退してから1ヶ月経ったからだ。僕は学生団体を3年間やって来た。その中である意味自分の専攻である数学を捨てて、必死に事業創造や事業支援システム、経営学を学んできたし、イベントの設計、参加者の対応そういうものを必死に行ってきた。もちろん完璧とはほど遠くて、いろんな人からアドバイスをもらった。もちろん、そのアドバイスにイライラしたこともあった。でも、それも一つ勉強だった。できない自分を認めたくない自分というのがいた。だから人のせいにして逃げていく。でも、それじゃダメだというのに気づかせてくれたものまたKBC実行委員会という場所にいたからだと思う。人は逃げるのがうまい。自分ができないことを恥ずかしい、恥だと思う。でも、それを乗り越えないと、自分を次に進ませることはできないんだということを学んだ。でも、よく考えたら”相手”は「もっと良くなって欲しい」と思ってアドバイスをしてくれてる。そう思えば、全然恐れることなんてない。

そして、この組織を卒業して見える世界がまた変わった。大学という場所を改めて見る機会になった。その前に、僕にとって大事だった3月と言う時期は僕にとってはとても大事な時期だったことを書いておく必要がある。この時期に自分はたくさんのことを思い出し、そして新しいことを学んだ。落ち着いて時間ができたので全然知らない分野を学び始めた。経済、政治、哲学、これまでいろんなところで雑誌の記事を見たことがないぐらいの僕が、改めて本を買って(と言っても新書ぐらいだけど)勉強し始めた。これが、面白くてたまらなかった。世界が広がっていった。人と新しい会話ができるようになった。そして、”出現する未来”という場の理論について学んだ。未来は誰が先導していくのか、考えるようになった。そのために自分に何ができるのか考えようと思った。

そんな時期を経て4月で大学に戻った。普通の何もないごく普通の大学生活へ。始めはかなり違和感があった、というか学年が留年で1つ違うので、友達もいなくて...いまはできた。でも、大学って素敵なところだと思った。自分の姿勢次第でどんな風なことも学べる場所だと思った。みんなはこの素敵な場所の活かし方を知らないで、大学とか行くぐらいだったら早く就職した方がいいなんて言う。

僕は、今だから反対したい。大学には可能性がある。でも、それを使う人がいない。僕も3年前大学にいた頃は、”大学なんて使えない”そんなことを思う一人だった。でも、ビジネスという世界に出会って、自分と出会って、そして大学に戻ってみると開ける世界はたくさんある。攻めの大学生活とは、大学を飛び出して、社会でインターンすることではない。その経験を通じて大学に価値を見いだし、それを活かす人になることだと思う。

僕は少なくとも後2年間大学にいる、でも全然苦しくないし、焦ることも何も感じていない。だってそこには素敵な環境があるから、学びたいこともたくさんある。空いた時間にやりたいこともたくさんある。夢で溢れてる。僕にはそういう風に「大学」という時間、場所が視えている。だから大学生という時間を、今は社会で「働く」なんていうことに使いたくはない。軸足を大学において、存分に活かしたいなと思っている。

新しい出会いと、新しいチャンスが見える場所にいる。
そして好きに、追いかけられる場所って大学しかない。
そんな時間を謳歌することは今しかできないと思っている。

大学は、今を生きる人と出会う場所であり、これまでを生きた人と出会う場所でもある。
だからこそ、僕は大学という場所をもっと素敵な場所に変えたいと思う。
そして、大学を変えるため必要なのは独善的なリーダーシップではなく、人と人をコラボレーションさせて共に変えていくという姿勢を貫ける人格者であると思って止まない。

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