2013年6月15日土曜日

新しいモチベーション - ”EGO”

こんにちは。
トモシゲです。
昨日の、とあるT.Y.さんとの議論から派生して感じたことをメモ。

デザイン思考っていうものに出会ってもう4年です。そして、デザイン思考をワークショップや教育、人材育成の世界で使って2年ぐらい経ちました。このデザイン思考について、僕はこの2年間で随分と「考え方」に修正を加えてきました。

最初は、「デザイン思考っていうのは、、、ユーザーの視点に基づいて、新しいモノを発想するから、ユーザーが欲しいもの・買いたいもの」が生まれるという仮説から始まりました。他の人は「多様な視点からの問題解決」と言ったり、「多様性が生み出すコラボレーション」とか、またある人は「ユーザーに寄り添う方法」と言います。結論から言うと、大体みんな同じことを言ってます。

あと、随分勘違いした人は「イノベーションを生み出す方法」なんてことも言ってます。これに関しては、僕は「間違い」であると思います。この発言は「取り消した方がいい」と思います。確かにデザイン思考は「イノベーション」と呼ばれる過去に起こった出来事をリバースエンジニアリングして生まれた手法です。その結果として、観察、定義、創造、試作、テストが生まれているわけです。ただし、これは結果論でしかないんです。つまり、因果関係が大きく間違っています。

仮に「イノベーションを生み出したプロダクト」ならば、「デザイン思考」をしている。が正しいと仮定します。では、逆である「デザイン思考」をすれば、「イノベーションを生み出せる」は成り立つでしょうか。時系列など様々な要素があるとはいえ、これは安易に「真」ということはできません。「デザイン思考」は「イノベーションを生み出す方法」であるという根拠のないロジックを世の中に広めるのは、やめてください。そして、イノベーションを生み出す方法論であるというなら、なぜそれを「あなた」が実践してイノベーションを起こさないんでしょうか。これは矛盾だと思います。

さて、話は変わって。ここで疑問です。このデザイン思考が本当に「買いたいもの」を生み出しているのかということです。つまり、「デザイン思考」→「買いたいもの」という論理が成り立つのかどうかについて強い疑問が最近あります。そもそも、欲しいものさえ生まれないんじゃないかと。

すこしここ4年間を振り返ってみましょう。デザイン思考が日本で芽を出したのは4年前の2009年ですから、ここから「デザイン思考」を用いて世界に旅たったプロダクトやサービスをがあるでしょうか。答えは簡単「NO」です。デザイン思考を用いても、結果的に売れる製品は生まれていないんですよね。これ、なんででしょう。デザイン思考を研究している方々は、これに明確な答えをだせるでしょうか。Wiiは2003年に開発が始まり、2006年に世界に羽ばたきました。期間である4年間が短いというのは明確な「理由」にはならないはずです。

つまり、「売れる製品が生まれない」、原因を「ユーザー視点」だの、プロトタイプだの、結果的に「デザイン思考」に持ち込むのは随分、強引な気がします。もし、デザイン思考はイノベーションに結びつくというのなら、この点を突破して欲しいなぁと思います。実際、僕は結果的に、突破できませんでした。

ところで、僕は最近新しい仮説があります。

新しいもの、革新的なものが作れなくなった原因って、ユーザー視点ができないことでも、ビジネスモデルがうまく作れないからでも、ビジネスプランを書けないからでもないのかもしれない。自分の腹の底にある、黒い部分と真剣に向き合ったり(自分の”エゴ”と向き合うことだと、僕は思いますが)をせずに、うまく表出させる方法を学ばなかったからじゃないだろうか。

というものです。

ビジネスやプロダクトをつくる人は、ユーザー視点は本当に大事なのはきっとみんなよくわかってると僕は思うんです。でもそれだけだと何か足りなんじゃないかと。

例えば、スープを作るとする。すると、ユーザーのみを考えると、「ただの」おいしいスープができてしまう。もちろん美味しい。でも飲み飽きてるとしたら、ユーザーが求めてるのは「未知」とか「わくわく」とか。エゴっていうちょっぴり毒薬のはいったスープになる。うまく例えられてないけど。

それから、2年前から思ってたのは、ユーザー視点、ユーザーのためだけを思っていても、長いスパンではやっぱりいつかモチベーションはなくなるということ。僕がワークショップをしたいのは、ワークショップっていうのが楽しくて、その世界で一番になりたい!っていう想いがあったからだなと今振り返って思います。

創り継ぐプロジェクトもそうでした。実際、僕が思い描いていたのは「人が発火すること」でしたが、それは、「人を発火させるようなイベント」なんて誰にも作れないと思ったからです。それを成し遂げれば、すごいことなんじゃないか!っていう想いがありました。だから、ある意味ものすごい頑張れたんです。

長くなったので、この辺で締めますが、人間の最大のエンジンってやっぱり「エゴ」だと思うんです。あなたは、どうなりたい?誰から評価を得たい?どんな足跡を「この世界」に残したい?そんな、これまで誰からも聞かれなかったような質問に真剣に回答する時がきているんじゃないかなと。

それがきっと、自分を動かし、人を動かし、ユーザーを動かす原動力なんじゃないかなと。ユーザー視点は大事です。でも、何故ユーザー視点になるのでしょう。それは、あなたが仮に世界を変えるプロダクトを作るとして、ユーザーの視点を失うと、的外れなモノになり過ぎるからです。でも、ユーザーの視点だけぢゃダメです。僕はどんな未来を描きたい。ユーザーがなんと言おうと、その世界へ引きづりこんでやる!そんなユーザーとは遠い視点もまた大事なんだと思います。

最近好きな言葉は。
始まりは”エゴ”から。

ハチャメチャな文章ですが、最後まで読んでくれてありがとうございます。

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