この文章が書かれてあったのは、本文ではなく。P.S.と書かれた後のところ。書いているのは、僕よりも30年以上も前に慶應の理工学部を卒業された先輩です。ですが、久々に読み返したときに、僕も同じような感動をもらいながら、数学という世界に没頭してきたのを想い出します。
関数解析懐かしいです。大学授業のノートで唯一まだ持っているのは、石川先生の関数解析のノートなんです!昨夜、久しぶりに開いて、数式の羅列が読めなくなってる。。。とちょっとショック。条件を入れることで関数空間がつくられていく感じがいい感じで好きでした。
小学校1年のときに、3-5の計算ができないことに理不尽さを感じて、あと2つあれば、計算できるみたいなことを父親にいったら、マイナスの数を教えてもらい、すごい大発見をしたみたいで嬉しかった。
以来、中学校でマイナスの数の平方根はダメと言われたけれど、高校で虚数を習って、また世界が広がって嬉しかった。
大学で数学勉強したいと思ったのは、数学では、勉強すればどんどん世界が広がって楽しいと思ったからですが。。。数理では広大な世界で迷子になって挫折(笑)。でも相変わらず、「平行線は交わらない」じゃなくて、「平行線は交わってもいい?」みたいなところから、非ユークリッド幾何学の体系ができる世界には憧れを感じています。
つまり、あるものを、別な見方(公理)で見て、それに従って論理的に組み立てていくと、全く別な世界が出来る。私自身、イノベーションもこんな感じで起きないかなぁーと思っているかもしれません。今見えているあるものを、全く別の見方でみることで、そこから違った世界が構築できる。
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この話を聞いたとき、僕はハッとしました。
私たちは、「思考の枠」を破り続けてきたんですね。
それも、「問いかけ」から新しい概念を引き出して。
新しい概念で、できないことを「できる」ようにしてしまう。そして、世界を1つ作ってしまう。そんなことをしてきた偉大な数学者達は、きっとGet Out of the Boxな人(思考のはこの外にいた人)だったんじゃないかなと思います。
僕は、一時期ビジネスの世界の「イノベーション」というものに惹かれました。人々の生活を変えてしまうような、そんな素敵なプロダクトや、サービスを生み出すこと。そんな世界にいた僕は、随分と「数学」をやることを辞めてしまい、最後には「何の、誰の役に立つ」んだろう?と疑問符さえつくようになりました。
でも、高校のときあれだけ好きだった数学です。鮮やかな解放、緻密な論理、色んなことが自分の中から消えていました。そして、大学3年の春に数学の世界に戻って、また色々学ぶようになりました。2年生の基礎ぐらいからやり直さないと行けないレベルにまで能力が落ちていて、なんとも悔しい気持ちでしたけど。
でも、今4年生になって、数学的な思考も、ビジネスにおける思考もそのベースは同じだと気づくようになりました。物事を深め、そしてブレイクを起こすのは「問いかけ」であり、素晴らしい問いかけが、新たな概念を生み出すということに、なんとなく気づきつつあります。そして、その問いかけが、何気ない「当たり前」を捉えたときにこそ、始めて面白い、何かが生まれる。
大学に入って4年間という随分長い時間旅をしました。別に、数学も、統計学も、経営学も、今思い返せば大事なわけじゃなかったです(もちろん無価値といういみではないですよ!)。でも、違和感に「問いかけること」が「新概念の創造」につながっているということが、体感として「分かった」のは、大学に入って得たたった1つの大きな収穫だと思います。これは、僕が接するどの場面でも、状況を変え、ネガティブをポジティブに転換し、場の空気をコントロールする、そんな助けになってくれています。
ともしげ@ふわっと書いた雑記。
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